給与明細や社会保険の手続きで、
「標準報酬月額」
という言葉が出てくることがあります。
でも、
「普通の月給と何が違うの?」
「実際にもらっている給与そのものじゃないの?」
と、かなり分かりにくい言葉です。
ざっくり整理しておきます。
標準報酬月額とは
標準報酬月額は、
健康保険料や厚生年金保険料などを計算するために使う、給与の基準額
です。
毎月の給与をそのまま使うのではなく、給与額を一定の幅ごとに区切った「等級」に当てはめて決めます。
つまり、
実際の給与額 ≠ 標準報酬月額
です。
何が給与として含まれる?
標準報酬月額を決めるときの「報酬」には、基本給だけでなく、
- 残業手当
- 通勤手当
- 役職手当
- 家族手当
- 住宅手当
なども含まれます。
税引き前の給与をもとに考えるのが基本です。
一方、臨時に支払われるものや、原則として年3回以下の賞与などは、通常の標準報酬月額とは別に扱われます。
なぜ実際の給与をそのまま使わないの?
給与は、残業などによって毎月変わることがあります。
そのたびに社会保険料まで細かく変えていると、計算や事務が複雑になります。
そこで給与を一定の範囲ごとにまとめ、
「この給与帯なら標準報酬月額はこの金額」
という形にして、保険料計算をしやすくしています。
標準報酬月額は何に使われる?
主に、
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 介護保険料
などの計算に使われます。
健康保険料の場合も、標準報酬月額に保険料率をかけて保険料を計算します。
また、厚生年金では将来の年金額の計算にも関係します。
いつ決まるの?
代表的なのが、
毎年4月・5月・6月の給与をもとに決める方法
です。
会社はこの3か月分の報酬を「算定基礎届」で届け出ます。
その内容をもとに決められた標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年8月まで使われます。これを「定時決定」といいます。
給与が大きく変わったら?
昇給や降給などで固定的な給与が大きく変わった場合には、年1回の見直しを待たずに標準報酬月額が変更されることがあります。
これを、
随時改定
といいます。
そのときに会社が提出する書類が、
月額変更届
です。
つまり、
毎年の見直し → 算定基礎届
途中で給与が大きく変わった → 月額変更届
くらいに覚えておくと分かりやすいです。
給与とぴったり同じ金額ではない
たとえば給与が31万2,000円だったとしても、
標準報酬月額=31万2,000円
になるとは限りません。
一定の給与範囲ごとに等級が決められているため、その範囲に対応する標準報酬月額が使われます。
厚生年金の標準報酬月額は、現在1等級の8万8,000円から32等級の65万円までに分かれています。
ざっくり覚えるなら
標準報酬月額は、
社会保険料を計算するために、毎月の給与を一定の幅に区切って決めた基準額
です。
実際の給与そのものではありません。
そして、
健康保険料や厚生年金保険料を決める大事な数字
と覚えておけば十分です。
関連する用語
標準報酬月額と一緒によく出てくる言葉も、順番に整理しています。
- 社会保険って何?会社員の給与から引かれる保険をざっくり整理 | MiniWiki Notes
- 健康保険って何?会社員が病気やけがをしたときの公的な保険 | MiniWiki Notes
- 厚生年金って何?会社員の老後などを支える公的年金 | MiniWiki Notes
- 算定基礎届って何?毎年の社会保険料を決めるための届け出 | MiniWiki Notes
- 随時改定って何?給与が大きく変わったときに社会保険料を見直す仕組み | MiniWiki Notes
- 月額変更届って何?給与が大きく変わったときに会社が出す届け出 | MiniWiki Notes
分からない言葉があったら、ひとつずつ確認していきます。