労災保険の説明を見ていると、

「給付基礎日額」

という言葉が出てきます。

でも、

1日分の給料のこと?

手取りを30日で割ればいいの?

と思うこともあります。

給付基礎日額とは、

労災保険の給付額を計算するときに使う、1日あたりの賃金の基準となる金額

です。


給付基礎日額って何?

給付基礎日額は、

労災保険から支給される、

  • 休業補償給付
  • 休業給付
  • 障害補償年金
  • 遺族補償年金

などの金額を計算するときに使われます。

原則として、

労働基準法の平均賃金に相当する金額

が給付基礎日額になります。


どうやって計算するの?

原則として、

事故が起きた日などの直前3か月間に支払われた賃金をもとに計算します。

基本的な考え方は、

直前3か月間の賃金総額
÷
その期間の暦日数

です。

ここでいう暦日数には、

休日なども含まれます。


たとえば月20万円なら?

たとえば、

毎月20万円の賃金を受け取っていて、

直前3か月の賃金が合計60万円、

その期間の暦日数が92日だった場合、

60万円 ÷ 92日

で計算します。

この場合、

1日あたり約6,522円が、

給付基礎日額になります。


手取り額をもとにするの?

いいえ。

給付基礎日額は、

手取り額をもとに計算するわけではありません。

税金や社会保険料が差し引かれる前の、

賃金をもとに計算します。


賞与も含まれるの?

通常の給付基礎日額を計算するときは、

原則として、

賞与など3か月を超える期間ごとに支払われる賃金

は含まれません。

また、

臨時に支払われた賃金も、

通常の計算から除かれます。


休業補償給付ではどう使うの?

業務災害による休業で、

休業補償給付を受ける場合、

原則として、

給付基礎日額の60%

が休業補償給付として支給されます。

さらに、

20%の休業特別支給金

が加わります。

そのため、

合計では、

給付基礎日額の80%相当

になります。


休業給付でも同じ?

基本的な考え方は同じです。

通勤災害による休業給付でも、

給付基礎日額をもとに金額を計算します。

つまり、

業務災害でも通勤災害でも、労災保険の休業給付を計算する基準になる金額

です。


給付基礎日額はずっと同じなの?

必ずしも同じではありません。

休業が長期間続いた場合などには、

賃金水準の変化に応じて、

給付基礎日額が改定されることがあります。

また、

療養開始から1年6か月を経過した場合には、

年齢階層ごとの最低額や最高額が適用される場合があります。


年金でも使うの?

使います。

労災保険には、

  • 傷病補償年金
  • 障害補償年金
  • 遺族補償年金

など、

年金として支給される給付があります。

こうした年金の金額を計算するときにも、

給付基礎日額が使われます。


「算定基礎日額」とは違うの?

違います。

名前が似ていますが、

給付基礎日額は、

主に通常の賃金をもとに計算する、

労災保険給付の基準額です。

一方、

算定基礎日額は、

賞与などの特別給与をもとに、

労災保険の特別支給金などを計算するときに使われます。


ざっくり覚えるなら

給付基礎日額は、

「労災保険からいくら支給するかを計算するための、1日あたりの賃金の基準額」

です。

覚えておきたいポイントは、

  • 労災保険の給付額を計算する基準
  • 原則として平均賃金に相当する額
  • 基本は直前3か月間の賃金をもとに計算する
  • 手取り額を基準にするわけではない
  • 休業補償給付や休業給付の計算に使う
  • 労災年金の計算にも使われる

です。


関連する用語

給付基礎日額は、休業補償給付や休業給付の金額がどう決まるのかを見ると分かりやすくなります。

分からない言葉があったら、ひとつずつ確認していきます。

参考情報