雇用保険の基本手当について調べていると、

「給付制限」

という言葉が出てくることがあります。

でも、

基本手当をもらえる資格があるのに、なぜ制限されるの?

何か月待つの?

と思うこともあります。

給付制限とは、

雇用保険の基本手当を受ける資格があっても、離職理由などによって一定期間、基本手当が支給されない仕組み

です。


給付制限って何?

雇用保険の基本手当は、

受給資格が決まれば、

必ずすぐに支給が始まるわけではありません。

離職理由などによっては、

一定の期間、

基本手当が支給されないことがあります。

この期間を、

給付制限

といいます。


どんなときに給付制限があるの?

代表的なのは、

正当な理由のない自己都合退職

です。

たとえば、

自分の都合で会社を辞めた場合などには、

原則として給付制限がかかります。

ただし、

実際の離職理由は、

ハローワークで確認されます。


自己都合退職なら何か月?

2025年4月1日以降に退職した場合、

正当な理由のない自己都合退職の給付制限は、

原則1か月

です。

2025年3月31日以前の退職では、

原則2か月でした。

制度改正によって、

原則の給付制限期間が、

2か月から1か月に短縮されました。


1か月なら、退職した翌日から数えるの?

いいえ。

退職した翌日から、

単純に1か月を数えるわけではありません。

まず、

ハローワークで、

離職票を提出し、

求職の申込みをして、

受給資格の決定を受けます。

そのあと、

原則として、

7日間の待期

があります。

給付制限は、

その待期期間が終わったあとに始まります。


待期と給付制限は違うの?

違います。

待期は、

基本手当を受けるすべての人に原則としてある、

7日間の期間です。

一方、

給付制限は、

自己都合退職など、

一定の場合に追加で設けられる期間です。

ざっくり言えば、

待期 → 原則みんなにある7日間

給付制限 → 一定の離職理由などの場合に追加される期間

です。


会社都合で辞めた場合も給付制限があるの?

倒産や解雇など、

一定の会社都合による離職では、

通常の自己都合退職にかかる、

離職理由による給付制限はありません。

ただし、

7日間の待期はあります。


自己都合でも給付制限がないことはあるの?

あります。

自己都合による離職でも、

正当な理由があると認められる場合には、

通常の自己都合退職とは、

扱いが異なることがあります。

離職理由については、

本人と会社の主張だけで決まるのではなく、

ハローワークが資料などを確認して判断します。


何度も自己都合退職した場合は?

一定の場合には、

給付制限が長くなります。

退職日からさかのぼって5年間に、

2回以上、正当な理由なく自己都合退職し、受給資格決定を受けている場合

には、

給付制限は、

3か月

になります。


重責解雇の場合は?

自分の責任による重大な理由で解雇された、

いわゆる、

重責解雇

の場合にも、

給付制限がかかります。

この場合の給付制限は、

3か月

です。


給付制限中は基本手当をまったくもらえないの?

はい。

給付制限の対象となっている期間については、

基本手当は支給されません。

ただし、

受給資格そのものがなくなったわけではありません。

給付制限が終わり、

失業認定などの条件を満たせば、

その後、

基本手当の支給対象になります。


給付制限中も求職活動はするの?

はい。

基本手当は、

再就職する意思があり、

求職活動をしている人を支える制度です。

そのため、

給付制限中も、

必要な求職活動を行います。

失業認定を受けるためには、

一定の求職活動実績が必要になります。


求人を見るだけでも求職活動になるの?

求人情報を、

インターネットなどで見るだけでは、

原則として、

求職活動実績にはなりません。

たとえば、

  • 求人への応募
  • ハローワークでの職業相談
  • 職業紹介
  • 就職に関するセミナーへの参加

などが、

求職活動実績として扱われます。


教育訓練を受けると給付制限がなくなることがあるの?

あります。

2025年4月以降は、

自己都合退職した人が、

一定の教育訓練等を受けた場合、

給付制限が解除される仕組み

が始まりました。

リ・スキリングなどによって、

再就職に必要な知識や技能を身につける人を、

より早く基本手当につなげるための仕組みです。


どんな教育訓練でもいいの?

何でも対象になるわけではありません。

雇用の安定や、

就職の促進に必要な、

一定の教育訓練等が対象です。

また、

給付制限の解除を受けるためには、

ハローワークへの申し出や、

必要な証明書などが必要になる場合があります。


給付制限中に再就職したらどうなるの?

給付制限中に就職した場合でも、

一定の条件を満たせば、

再就職手当

を受給できることがあります。

つまり、

「給付制限中だから、

早く就職すると損をする」

というわけではありません。


基本手当の支給日数が減るの?

給付制限は、

単純に、

所定給付日数そのものを減らす仕組みではありません。

一定期間、

基本手当の支給開始が制限される仕組みです。

ただし、

基本手当には、

原則として離職日の翌日から1年間という、

受給期間があります。

そのため、

手続きが遅れたり、

受給期間を過ぎたりすると、

所定給付日数が残っていても、

受け取れなくなることがあります。


「1か月後には必ず振り込まれる」という意味?

いいえ。

給付制限が1か月だからといって、

1か月後に自動的に振り込まれるわけではありません。

  • 7日間の待期
  • 給付制限
  • 失業認定
  • 求職活動実績
  • 認定後の支給手続き

などがあります。

そのため、

実際の振込日は、

「退職からちょうど1か月後」

という意味ではありません。


離職理由はどこで確認するの?

離職票には、

離職理由に関する記載があります。

ただし、

最終的な離職理由の判断は、

ハローワークが行います。

会社が記載した離職理由と、

本人の認識が違う場合には、

ハローワークに申し出ることができます。


ざっくり覚えるなら

給付制限は、

「基本手当を受ける資格があっても、自己都合退職などの場合に、一定期間は基本手当が支給されない仕組み」

です。

覚えておきたいポイントは、

  • 正当な理由のない自己都合退職などでかかる
  • 2025年4月1日以降の自己都合退職は原則1か月
  • その前に原則7日間の待期がある
  • 過去5年間に一定回数の自己都合退職がある場合は3か月になることがある
  • 重責解雇では3か月
  • 一定の教育訓練等を受けると解除される場合がある
  • 給付制限中の再就職でも再就職手当を受けられる場合がある

です。


関連する用語

給付制限は、「基本手当を受けられなくなる制度」ではなく、「一定の理由で、基本手当の支給開始までに追加の期間が設けられる仕組み」と考えると分かりやすくなります。

分からない言葉があったら、ひとつずつ確認していきます。

参考情報