労災保険の説明を見ていると、

「業務上疾病」

という言葉が出てくることがあります。

でも、

仕事中に発症した病気なら全部そうなの?

けがとは何が違うの?

と思うこともあります。

業務上疾病とは、

仕事が原因となって発症したと認められる病気

のことです。


業務上疾病って何?

仕事をしていると、

作業環境や仕事内容などによって、

体に負担がかかることがあります。

たとえば、

  • 有害な化学物質
  • 騒音や振動
  • 重い物を扱う作業
  • 病原体
  • 長時間労働などによる大きな負担

などが原因となって、

病気を発症することがあります。

このように、

仕事と病気との間に相当な因果関係が認められる疾病

を、

業務上疾病といいます。


仕事中に発症すれば業務上疾病なの?

いいえ。

勤務中に発症しただけでは、必ずしも業務上疾病にはなりません。

たとえば、

勤務中に脳出血を発症したとしても、

仕事が発症原因になったと認められなければ、

業務上疾病とは認められません。

大切なのは、

どこで発症したかではなく、仕事が原因だったかどうか

です。


仕事が終わったあとに発症しても対象になるの?

なることがあります。

仕事中に有害な物質などにさらされ、

その影響によって後になって病気を発症することもあります。

そのため、

勤務時間外や退職後に発症した病気でも、

仕事との因果関係が認められれば、

業務上疾病として労災保険の対象になる場合があります。


どんな条件で認められるの?

一般的には、

次のような点を確認します。

  • 労働の場に有害な要因があった
  • 病気を起こす程度にその要因にさらされた
  • その要因と病気との間に医学的な関係が認められる

などです。

単に、

「仕事をしていた時期に病気になった」

というだけではなく、

仕事と病気の関係

が重要になります。


有害因子って何?

有害因子とは、

健康に悪影響を与える可能性がある要因のことです。

たとえば、

  • 化学物質
  • 粉じん
  • 放射線
  • 騒音
  • 振動
  • 高温や低温
  • 身体に大きな負担がかかる作業
  • 病原体

などがあります。

仕事内容によって、

関係する有害因子は異なります。


どんな病気が対象になるの?

業務上疾病として認められる可能性がある病気には、

さまざまなものがあります。

たとえば、

  • 腰痛など身体に負担がかかる作業による疾病
  • 化学物質による疾病
  • 粉じんなどによる呼吸器の疾病
  • 騒音による疾病
  • 感染症
  • 脳・心臓疾患
  • 精神障害

などがあります。

それぞれについて、

労災認定の基準などが定められています。


一覧に載っていない病気は対象外?

必ずしもそうではありません。

労災補償の対象となる代表的な疾病は、

法令などで定められています。

ただし、

そこに具体的に名前が載っていない疾病でも、

仕事が原因であることが認められれば、労災補償の対象になる場合があります。


業務災害とは何が違うの?

業務災害は、

仕事が原因で起きたけが・病気・障害・死亡などを含む大きな概念

です。

業務上疾病は、

その中でも、

仕事が原因となった「病気」

に注目した言葉です。

つまり、

業務災害の中に業務上疾病が含まれる

と考えると分かりやすいです。


労災保険の対象になるの?

業務上疾病と認められれば、

労災保険給付の対象になります。

状況に応じて、

  • 治療に関する給付
  • 休業補償給付
  • 障害に関する給付
  • 遺族に関する給付

などが関係することがあります。


誰が業務上疾病か判断するの?

本人や会社だけで決めるものではありません。

労災保険の請求があった場合、

仕事内容や作業環境、

病気の状態、

医学的な資料などをもとに、

労働基準監督署が調査し、

労災保険の対象になるかを判断します。


ざっくり覚えるなら

業務上疾病は、

「仕事が原因で発症したと認められる病気」

です。

覚えておきたいポイントは、

  • 仕事と病気との因果関係が重要
  • 勤務中に発症しただけでは決まらない
  • 勤務時間外に発症しても対象になることがある
  • 化学物質や身体的負担などさまざまな原因がある
  • 業務災害の一種
  • 認められれば労災保険給付の対象になる

です。


関連する用語

業務上疾病は、「仕事中に病気になったか」ではなく、「仕事が病気の原因になったか」で考えると分かりやすくなります。

分からない言葉があったら、ひとつずつ確認していきます。

参考情報