会社の労務手続きについて調べていると、
「年度更新」
という言葉が出てくることがあります。
でも、
何を更新するの?
社会保険の手続き?
と思うこともあります。
年度更新とは、
前年度の労働保険料を確定して精算し、あわせて今年度分の労働保険料を概算で申告・納付する毎年の手続き
です。
年度更新って何?
労働保険料は、
最初からその年度の正確な金額が分かるわけではありません。
そのため、
年度の初めに、
その年度に支払う賃金などを見込んで、
概算保険料
を申告・納付します。
そして、
年度が終わったあとに、
実際に支払った賃金をもとに、
確定保険料
を計算します。
この、
- 前年度分の保険料を確定して精算する
- 今年度分の保険料を概算で申告する
という手続きをまとめて、
年度更新
といいます。
何の保険の手続きなの?
年度更新は、
労働保険
の保険料について行う手続きです。
労働保険とは、
- 労災保険
- 雇用保険
をまとめた呼び方です。
社会保険の手続きではないの?
違います。
ここは混同しやすいところです。
年度更新は、
労働保険料の手続き
です。
一方、
健康保険や厚生年金の標準報酬月額を毎年見直す手続きには、
算定基礎届
があります。
ざっくり言えば、
年度更新 → 労働保険
算定基礎届 → 健康保険・厚生年金
です。
いつするの?
原則として、
毎年、
6月1日から7月10日まで
の間に手続きを行います。
2026年度、
つまり令和8年度の年度更新期間は、
2026年6月1日(月)から7月10日(金)まで
です。
何を申告するの?
年度更新では、
主に、
前年度の確定保険料
と、
今年度の概算保険料
を申告します。
つまり、
去年の分を確定しながら、
今年の分を見積もる、
という形です。
確定保険料って何?
確定保険料とは、
前年度に実際に支払った賃金などをもとに計算した、
実際の労働保険料
です。
年度の初めには、
まだその年度の賃金総額が分からないため、
概算で保険料を納めています。
年度が終わったら、
実際の賃金総額を使って、
正しい保険料を計算します。
概算保険料って何?
概算保険料とは、
今年度に支払う賃金総額などを見込んで計算する、
今年度分の予定の労働保険料
です。
年度更新では、
前年度を精算するだけではなく、
今年度分の保険料もあわせて申告します。
どうやって保険料を計算するの?
労働保険料は、
原則として、
賃金総額 × 保険料率
で計算します。
ただし、
労災保険と雇用保険では、
対象となる労働者や保険料率などに違いがあります。
賃金総額って何?
賃金総額とは、
原則として、
その年度中に労働者へ支払った、
または支払うことが確定した賃金の合計です。
たとえば、
- 基本給
- 残業手当
- 各種手当
- 賞与
など、
労働の対価として支払われるものが含まれます。
ただし、
すべての支払いが必ず賃金に含まれるわけではありません。
前年度の概算額と実際の金額が違ったら?
年度更新で精算します。
たとえば、
前年度に概算で納めた保険料より、
実際の確定保険料のほうが多ければ、
不足分を納付します。
逆に、
概算で納めすぎていた場合には、
今年度の概算保険料などに充当したり、
一定の場合には還付を受けたりします。
誰が手続きするの?
基本的には、
事業主
が手続きします。
会社では、
総務や人事、
経理などの担当者が、
実務を行うことがあります。
また、
労働保険事務組合などに、
手続きを委託している場合もあります。
どこに申告するの?
年度更新の申告は、
管轄の、
- 都道府県労働局
- 労働基準監督署
などで行います。
郵送や、
電子申請を利用することもできます。
電子申請もできるの?
できます。
労働保険の年度更新は、
電子申請
でも手続きできます。
対象となる一部の事業場では、
電子申請が義務づけられています。
保険料も一緒に払うの?
はい。
年度更新では、
申告だけではなく、
計算した労働保険料の納付も行います。
原則として、
年度更新期間内に、
申告と納付を行います。
一括で払わないといけないの?
一定の条件を満たす場合には、
労働保険料を、
複数回に分けて納付できることがあります。
これを、
延納
といいます。
たとえば、
概算保険料が一定額以上の場合や、
労働保険事務組合に事務を委託している場合などです。
年度更新をしないとどうなるの?
年度更新を行わない場合、
労働局が保険料額を決定する、
認定決定
が行われることがあります。
また、
納付が遅れれば、
延滞金などが発生することもあります。
そのため、
毎年の期間内に、
正しく申告・納付することが大切です。
労働者本人がする手続きなの?
通常は違います。
年度更新は、
労働者個人が行う手続きではなく、
事業主が行う手続き
です。
そのため、
会社員として働いている人が、
自分で年度更新の申告書を書く、
というものではありません。
保険年度っていつからいつまで?
労働保険では、
原則として、
4月1日から翌年3月31日まで
を、
1つの保険年度としています。
この1年間について、
賃金総額や保険料を計算します。
なぜ「更新」というの?
毎年、
前年度分の保険料を確定し、
今年度分の概算保険料を新しく申告するため、
年度更新
と呼ばれています。
単に契約を更新する、
という意味ではありません。
算定基礎届との違いは?
名前も時期も似ていますが、
別の手続きです。
年度更新
→ 労災保険・雇用保険の保険料を計算して申告・納付する
算定基礎届
→ 健康保険・厚生年金の標準報酬月額を決め直す
という違いがあります。
どちらも、
会社の労務担当者にとって、
初夏に行う重要な手続きです。
ざっくり覚えるなら
年度更新は、
「労働保険料について、前年度分を確定して精算し、今年度分を概算で申告・納付する毎年の手続き」
です。
覚えておきたいポイントは、
- 労働保険の手続き
- 労災保険と雇用保険が関係する
- 前年度の確定保険料を計算する
- 今年度の概算保険料も申告する
- 原則として毎年6月1日から7月10日まで
- 事業主が行う
- 算定基礎届とは別の手続き
です。
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年度更新は、「何かの登録を毎年更新する手続き」というより、「去年の労働保険料を確定して、今年の保険料を見積もる毎年の精算手続き」と考えると分かりやすくなります。
分からない言葉があったら、ひとつずつ確認していきます。