要介護認定の説明を見ていると、

「要介護認定等基準時間」

という言葉が出てきます。

でも、

本当に介護している時間のこと?

毎日何分介護するかを測るの?

と思うこともあります。

要介護認定等基準時間とは、

要介護度を判定するために、「どのくらい介護の手間が必要か」を時間に換算した指標

です。


要介護認定等基準時間って何?

要介護認定では、

その人の日常生活に、

どのくらい介護の手間が必要なのかを判断します。

そのために使われる指標のひとつが、

要介護認定等基準時間

です。

認定調査の結果をもとに、

統計データを使って、

介護に必要な手間を、

「何分くらいに相当するか」

という形で推計します。


実際の介護時間なの?

いいえ。

ここが一番大事です。

要介護認定等基準時間は、

家族や介護職が実際に介護した時間そのものではありません。

たとえば、

要介護3の基準時間が、

70分以上90分未満だからといって、

「1日に70~90分だけ介護すればいい」

という意味ではありません。

あくまで、

要介護度を判定するための共通のものさし

です。


何をもとに計算するの?

認定調査では、

本人の状態や、

どのような介助が行われているかなどを確認します。

その結果をもとに、

コンピューターによる一次判定で、

要介護認定等基準時間が算出されます。


どんな介護の手間が含まれるの?

要介護認定等基準時間では、

主に5つの分野について、

介護の手間を推計します。

1.直接生活介助

たとえば、

  • 入浴
  • 排せつ
  • 食事

など、

本人の生活動作を直接手伝う介助です。

2.間接生活介助

たとえば、

  • 洗濯
  • 掃除

など、

生活を支えるための家事援助です。

3.BPSD関連行為

たとえば、

  • 徘徊した人を探す
  • 不潔な行為の後始末をする

など、

認知症に伴う行動・心理症状への対応です。

4.機能訓練関連行為

たとえば、

  • 歩行訓練
  • 日常生活動作の訓練

などです。

5.医療関連行為

たとえば、

  • 輸液の管理
  • 褥瘡の処置

など、

診療の補助に関する行為です。


要介護度とはどう関係するの?

要介護認定等基準時間には、

要支援・要介護の区分ごとに、

目安となる範囲があります。

  • 25分未満:非該当
  • 25分以上32分未満:要支援1
  • 32分以上50分未満:要支援2または要介護1
  • 50分以上70分未満:要介護2
  • 70分以上90分未満:要介護3
  • 90分以上110分未満:要介護4
  • 110分以上:要介護5

数字が大きくなるほど、

一般的には、

必要とされる介護の手間も大きくなります。


32分以上50分未満なら要介護1?

必ずしも、

要介護1とは限りません。

32分以上50分未満

の場合は、

要支援2または要介護1になります。

この区分では、

認知機能の低下や、

状態が安定しているかどうかなども確認して、

要支援2と要介護1を判定します。


基準時間だけで最終決定するの?

いいえ。

要介護認定等基準時間は、

主に一次判定で使われます。

そのあと、

介護認定審査会で、

  • 認定調査の特記事項
  • 主治医意見書
  • 一次判定の結果

などを確認し、

最終的な要介護度が判定されます。

つまり、

基準時間だけで機械的に決まるわけではありません。


病名で時間が決まるの?

病名だけでは決まりません。

同じ病気でも、

一人で生活できる人もいれば、

多くの介助が必要な人もいます。

そのため、

要介護認定では、

病気の名前よりも、実際にどのくらい介護の手間が必要か

を見ることが重要になります。


なぜ「時間」で表すの?

介護の必要性を、

人によって違う感覚だけで判断すると、

判定にばらつきが出てしまいます。

そこで、

全国で共通して使えるように、

介護の手間を統計的に、

「分」

という形に換算して、

判定の基準として使っています。


要介護認定等基準時間が長い=重い病気?

必ずしもそうではありません。

要介護認定等基準時間が表しているのは、

病気の重さではなく、介護に必要な手間

です。

そのため、

病名が同じでも、

必要な介護の内容によって、

要介護度が違うことがあります。


ざっくり覚えるなら

要介護認定等基準時間は、

「要介護度を決めるために、介護の手間を分単位に換算したものさし」

です。

覚えておきたいポイントは、

  • 要介護認定の一次判定で使われる
  • 実際の介護時間そのものではない
  • 介護の手間を統計的に時間へ換算する
  • 主に5つの介護分野から算出される
  • 時間が長いほど介護の必要性が高い傾向がある
  • 最終的な要介護度は基準時間だけで決まるわけではない

です。


関連する用語

要介護認定等基準時間は、「実際に何分介護したか」ではなく、「介護の手間を共通の基準で数字にしたもの」と考えると分かりやすくなります。

分からない言葉があったら、ひとつずつ確認していきます。

参考情報